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2011.12.03 新三河物語
新三河物語〈上〉 (新潮文庫)新三河物語〈上〉 (新潮文庫)
(2011/03)
宮城谷 昌光

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新三河物語読了。
宮城谷昌光の三河モノ第二弾。
元祖三河物語の著者であり天下のご意見番、大久保彦左衛門の視点から桶狭間以後の大久保一族と家康を描く。

彦左衛門の根底にある曾我物語を大切にしながら、大久保一族の可憐ともいえる忠誠と戦国期ならではの複雑な事象を著していた。
あいかわらず人名の表記に字と諱が入り混じっていて読みにくいが、第一級の史料である三河物語の主題でありながら、なかなかスポットのあたらない大久保一族に焦点をあてていることは新鮮だった。
大久保氏は徳川四天王にも入れてもらえず、信州上田城では真田昌幸に二度にわたりボコボコにされ、あげくのはてに追放と非常に不憫な一族である。
が、三河一向一揆、三方ヶ原や長篠の戦いなどにおいてはめざましい活躍と犠牲をはらっている。

ただ宮城谷氏特有の主眼ではあるが、中国の故事や孔孟思想によって正義を描く手法が多くみられる。
三河物語自体は多少なりとも史記の影響をうけている文書ともいえるが、はたして戦国期以前にどれほど孔孟思想が日本人の倫理観として流布していたのか?
書物の増刷は写本によらざるを得ない時代に、三河の小豪族の分家の八男坊にそれらの書物により得ることができる倫理観が成熟できるとは思えない。
そもそもそのような思想が一般的であれば信長・秀吉・家康の存在は成立しない。

個人的に今後の宮城谷作品はこれらの主眼をもって、吉良義央や小栗忠順などを著してくれることを期待したい。
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