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2011.02.03 秀吉と武吉
秀吉と武吉 読了。

秀吉と武吉―目を上げれば海 (新潮文庫)秀吉と武吉―目を上げれば海 (新潮文庫)
(1990/12)
城山 三郎

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戦国期に瀬戸内海に盤踞していた村上水軍の主。村上武吉を主人公にした小説。
城山三郎の小説らしく、組織と個人との対立の構図が主題となっている。
この場合、秀吉政権が組織となる。

組織に対して個人が徹底して筋の通った意地を張るがあまりに、後半生は目をそむけたくなるような凋落に至る。
少し前まで自分の会社でも身近な所にこういった人がいて、同じような構図があったように思う。

確かに楽市楽座を標榜する信長は、中世の既得権益の意識が強い海賊どもにしてみると非常に恐ろしい存在であったのだろう。
経済観念でいえば信長の思想をそっくりそのまま受け継いだといえる秀吉も同じことだ。
逆に支配者側の彼らにしてみれば座・市・関所などと同じく、帆別銭をまきあげる海賊行為は当時急速に発展しつつある商品経済の健全な成長にとって、害悪以外のなにものでもない。

事の善悪はさておき、個人が組織に相対する場合の美学や無力感は強く伝わった。

余談だが、10年以上前におそらく大阪歴史博物館の特別展だったように思うが、村上水軍か来島水軍かが用いていた女性用の鎧を見て非常に印象に残ったことを思い出した。
その鎧を見ただけで、中世以前の明るくてリベラルな西日本の風景が見えたように感じた。
あの鎧は現在どこに行ったら見学することができるのだろうか?
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